やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2023/05/02
事業所得について生じた売掛金が貸倒れとなった場合の取扱い

[相談]

 私は個人で運送業を営んでいます(年商1,500万円)。
 私の事業の売上金は、仕事が完了した月の翌々月に発注元から入金されることになっているのですが、昨年(令和4年)1月に完了した仕事の売上金の一部が、今年(令和5年)2月初めに発注元企業が倒産してしまったことにより回収できなくなってしまいました。
 このような場合、売上金が回収できなくなったことにより生じた損失の金額は、所得税法上どのように取り扱われるのでしょうか。教えてください。


[回答]

 ご相談の売上金が回収できなくなったことにより生じた損失の金額は、今年分(令和5年分)の事業所得の計算上、必要経費(貸倒損失)に算入することになるものと考えられます。


[解説]

 所得税法上、納税者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業について、その「事業の遂行上生じた売掛金、貸付金、前渡金その他これらに準ずる債権(※1)」の貸倒れその他一定の事由(※2)により生じた損失の金額は、その人のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入すると定められています。

※1 「事業の遂行上生じた売掛金、貸付金、前渡金その他これらに準ずる債権」には、販売業者の売掛金、金融業者の貸付金及びその未収利子、製造業者の下請業者に対して有する前渡金、工事請負業者の工事未収金、自由職業者の役務の提供の対価に係る未収金、不動産貸付業者の未収賃貸料、山林経営業者の山林売却代金の未収金等のほか、次に掲げるようなものも含まれることとされています。

@自己の事業の用に供する資金の融資を受ける手段として他から受取手形を取得し、その見合いとして借入金を計上し、又は支払手形を振り出している場合のその受取手形に係る債権

A自己の製品の販売強化、企業合理化等のため、特約店、下請先等に貸し付けている貸付金

B事業上の取引のため、又は事業の用に供する建物等の賃借のために差し入れた保証金、敷金、預け金等の債権

C使用人に対する貸付金又は前払給料、概算払旅費等

※2 一定の事由とは、次に掲げる事由で不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の遂行上生じたものと定められています。

@販売した商品の返戻又は値引きにより収入金額が減少することとなったこと

A保証債務の履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないこととなったこと

B不動産所得の金額、事業所得の金額もしくは山林所得の金額の計算の基礎となった事実のうちに含まれていた無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われ、又はその事実のうちに含まれていた取り消すことのできる行為が取り消されたこと

 したがって、今回のご相談の場合、売上金が回収できなくなったことにより生じた損失の金額は、その損失の生じた日(発注元企業が倒産した日)の属する年分、すなわち今年分(令和5年分)の事業所得の計算上、必要経費(貸倒損失)に算入することになるものと考えられます。

[参考]
所法51、所令141、所基通51-10など


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