やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2025/05/20
生命保険金とともに払戻しを受ける前納保険料の相続税法上の取扱い

[相談]

 私は、父の死亡を保険事故とする生命保険金(死亡保険金)を生命保険会社から受け取りました。
 また、父が上記の生命保険契約の前納保険料として支払っていた金額の一部を、上記の死亡保険金とあわせて受け取っています。
 そこでお聞きしたいのですが、上記の前納保険料の払戻金額は、相続税法上、どのように取り扱われるのでしょうか。教えてください。

[回答]

 ご相談の前納保険料の払戻金額は、相続税法上の「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となります。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.相続税の課税財産の範囲

 相続税法では、原則として、被相続人(亡くなった人)の財産を相続又は遺贈(※1)により取得した場合に、その財産(本来の相続財産)に対し、相続税を課すると定められています。

※1 遺贈には、贈与をした人が亡くなることによって効力を生じる贈与(死因贈与)を含みます。

2.本来の相続財産以外に、相続税が課税される財産

 相続税法では、上記1.の本来の相続財産のほか、被相続人の死亡により相続人その他の人が生命保険契約の保険金(※2)又は損害保険契約の保険金(※3)を取得した場合においては、その保険金受取人(※4)等についても、原則として、その保険金のうち被相続人が負担した保険料(※5)の金額のその契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分を相続又は遺贈により取得したものとみなす(みなし相続財産)と定められており、これらのみなし相続財産にも相続税が課税(※6)されます。

※2 共済金を含みます。

※3 偶然な事故に基因する死亡に伴い支払われるものに限ります。

※4 共済金受取人を含みます。

※5 共済掛金を含みます。

※6 ただし、みなし相続財産とされる生命保険金等のうち、相続人(※7)が取得した一定の金額までは、相続税は非課税となります。

※7 この相続人には、相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。

3.保険金とともに支払を受ける剰余金や前納保険料等の取扱い

 相続税法上、上記2.の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる保険金には、保険契約に基づき分配を受ける剰余金、割戻しを受ける割戻金及び払戻しを受ける前納保険料の額で、その保険契約に基づき保険金とともにその保険契約に係る保険金受取人(※4)が取得するものを含むものとされています。

 したがって、ご相談の前納保険料の払戻金額は、(本来の相続財産ではなく)みなし相続財産として、相続税の課税対象となります(ただし、原則として、そのうち一定金額までは相続税は非課税となります)。

[参考]
相法2、3、12、相基通3-8など

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