やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2026/06/16
後期高齢者医療保険料を普通徴収で納付 社会保険料控除の適用対象者は?

[相談]

 私と生計を一にしている私の父(満76歳)は、老齢年金(老齢厚生年金および老齢基礎年金)を受給しており、その老齢年金から後期高齢者医療保険料が特別徴収(天引き)されていたのですが、先般、役所で手続きを行って、その納付方法を普通徴収(納付書による納付)に切り替え、切り替え後の保険料は私が納付しています。
 そこでお聞きしたいのですが、この場合、私が支払った父の後期高齢者医療保険料について、私は社会保険料控除の適用を受けることはできるのでしょうか。

[回答]

 ご相談の場合、ご相談者様が負担された後期高齢者医療保険料については、ご相談者様の社会保険料控除の対象とすることができます。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.後期高齢者医療保険料の徴収方法の概要

 「高齢者の医療の確保に関する法律」では、市町村による後期高齢者医療保険料の徴収については、特別徴収(※1)の方法による場合を除くほか、普通徴収(※2)の方法によらなければならないと定められています。

※1 特別徴収とは、市町村が老齢等年金給付を受ける被保険者(一定の被保険者を除きます)から老齢等年金給付の支払をする者(年金保険者)に保険料を徴収させ、かつ、その徴収すべき保険料を納入させることをいいます。

※2 普通徴収とは、市町村が、保険料を課せられた被保険者又はその被保険者の属する世帯の世帯主もしくはその被保険者の配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある人を含みます)に対し、地方自治法の規定により納入の通知をすることによって保険料を徴収することをいいます。

2.後期高齢者医療保険料が老齢等年金給付から天引きされる基準

 上記1.の後期高齢者医療保険料が老齢等年金給付から特別徴収(天引き)される基準は、その年の6月1日から翌年の5月31日までの間に支払を受けるべきその老齢等年金給付の額の総額が、その年の4月1日の現況において18万円以上である人と定められています。

3.後期高齢者医療保険料の徴収方法を特別徴収から普通徴収に切り替えるための方法

 上記2.で述べたとおり、老齢等年金給付の総額が18万円以上である後期高齢者医療保険の被保険者は、原則として、その保険料を特別徴収(年金天引き)により納付することとなります。

 ただし、口座振替の方法により保険料を納付する旨を(市町村に)申し出た被保険者であって、特別徴収の方法によって徴収するよりも普通徴収の方法によって徴収することが保険料の徴収を円滑に行うことができると市町村が認める人(※3)については、普通徴収(口座振替、納付書による徴収)の方法により納付することができると定められています。

※3 保険料の未納がないなど、口座振替によっても保険料の円滑な徴収が可能であると市町村が認める場合に限られます。具体的な基準や手続き方法は、お住まいの地域の役所の担当課にお尋ねください。

4.後期高齢者医療保険料を普通徴収により納付した場合における社会保険料控除

 所得税法では、居住者(納税者本人)が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合又は給与から控除される場合には、その支払った金額又はその控除される金額を、その居住者(納税者本人)のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除すると定められており、この社会保険料には、今回のご相談の後期高齢者医療保険料も含まれています。

 ただし、社会保険料が親族の老齢等年金給付から特別徴収(天引き)されている場合には、その社会保険料を支払ったのは老齢等年金給付を受給している親族自身となることから、居住者(納税者本人)の社会保険料控除の対象にはなりません。

 一方で、社会保険料を普通徴収(口座振替、納付書による徴収)の方法により納付した場合には、口座振替等により実際にその保険料を納付した人(※4)に社会保険料控除が適用されることとなります。

 したがって、今回のご相談の場合、お父様の後期高齢者医療保険料の徴収方法を普通徴収に切り替えたうえで、その保険料をご相談者様が負担される場合には、その負担された保険料をご相談者様の社会保険料控除の対象とすることができます。

※4 被保険者または被保険者と生計を一にする配偶者その他の親族に限ります。

[参考]
所法74、高齢者の医療の確保に関する法律107、110、高齢者の医療の確保に関する法律施行令22、23、介護保険法134、135など

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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